地図を片手に古い時代の香港を歩く: 太平山醫學史蹟徑☆The Tai Pin Shan Medical Heritage Trail

この間、香港医学博物館で興味深い冊子をもらいました。「太平山醫學史蹟徑 (The Tai Pin Shan Medical Heritage Trail)」というトレイルの案内でした。どうやら香港の医学の歴史を巡るコースのようです。「太平山区」は現在の上環の辺りにあった地域で、中国から多くの貧しい人が移り住んだ場所です。当時、その劣悪な環境からペストが大流行したこともあります。また、東洋と西洋の医療が共に発展し、病院が多く建てられた場所でもあります。


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こういう風にきちんと順番が付けられて整理されているのを見ると、ワタクシが香港に来てからやっているお寺巡り同様、スタンプラリーみたいに達成したい気持ちになります。


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ちなみにこちらがお寺巡りの地図です。「太平山醫學史蹟徑」はお寺ほど香港の各地に散らばっているわけではなく、上環~西營盤の約1駅の距離らしいので、別の日にこのトレイルに挑戦してみることにしました。


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まずは、地図の1番にある香港医学博物館からスタートです。今は博物館ですが、この歴史トレイル的には「元・細菌學檢驗所」です。


① 香港醫學博物館



香港医学博物館のお隣の公園が、2番目の目的地「堅巷花園」です。


②堅巷花園 Caine Lane Garden

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🏢 22 堅巷道
💻 http://cache.org.hk/blog/syp_medical_blake_garden/


当時は「堅巷消毒所及救護車站舊址」といって消毒をしたり、救急車の駐車場として使われていました。


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橋を渡り、階段を降りると別の広場もあります。第12代目の長官だったブレイク (Blake) さん (任期1898年-1903年) は、ペストに対して3つの対応策を取りました。その内の1つは、華人の居住環境を改善し、地帯を綠化することでした。そのため、太平山地区を一掃し、公園を作りました。それが次に訪れる「卜公花園」です。


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公園を出て、丘を下って行くと左手にオシャレなカフェが数軒並ぶ「普慶坊」という通りに出ます。そのお向かいのバスケットボール・コートがある一帯が、ブレイクさんの名前が付いた「ト公花園」です。ペストの被害が最もひどかった場所として「鼠疫災區遺址」の記念碑があります。


③ト公花園 Blake Garden

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🏢 太平山街卜公花園
💻 http://www.amo.gov.hk/b5/trails_sheungwan1.php?tid=24


4番目の目的地「倫敦傳道會教堂及那打素醫局舊址」はすでになくなり、今はト公花園の一部になっています。こちらはロンドン伝道協会のチャペルで、Dr William Young という若い医者が西洋の医療を紹介しようと無料で治療室を開放していた場所です。


④ 倫敦傳道會教堂及那打素醫局舊址

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しかし当時、中華系の人々は西洋医療を信じていなかったため、こちらに来たのは貧しくて他で治療を受けられなかった人々だけだったようです。写真だけ見ると中世のヨーロッパみたいですが、こちらが1880年頃の「太平山区」です。ペストが大流行した時に全て取り壊されました。


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💻 http://www.amo.gov.hk/b5/trails_sheungwan1.php?tid=26


ここまでいろいろ見ておりますが、実際は徒歩15分くらいです。サクサクっと進んでおります。


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この辺りに5番目の目的地である小さな通りがあるのですが、以前行っているので省略します。写真だとこんな感じです。こんな感じなのでわざわざ行かなくてもよいかなァと思います。個人的には、香港医学博物館ですっかり感化されていたので、ペストの発生源は「まさにこんな感じかァ」と興味深く観察しました。


⑤ 水巷 Water Lane

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このトレイルは坂道や階段が多いので、汗だくになります。降りて行くだけなので楽ではありますが、歩きやすい靴はマストです。


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公園横の階段を降りて行くと、左手にピンクの建物が見えます。


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こちらがブレイクさんの取った対応策その2、衛生設施の提供、すなわち公共浴室兼トイレです。誰でもシャワーを浴びて、衛生環境を整えられるようにとの目的でつくられました。ちなみに対応策その3は前出の細菌研究所 (現香港醫學博物館) です。


⑥磅巷公廁及浴室 Pound Lane Bath House

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💻 http://cache.org.hk/blog/syp_medical_blake_garden/


現在も利用可能ですが、時間によって空いている時と閉まっている時があります。


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その横には次の目的地である小さなお寺「百姓廟」があります。元々は「廣福義祠 (Kwong Fuk Ancestral Hall)」として中国本土からの移住者の祖先を祀る祠でした。その後、大流行したペストで亡くなられた方のご遺体を故郷に送り返すまで保管したり、患病華人の收容所として、貧しい人たちへの医療活動もしていました。こちらも以前行っているので、詳しい説明は省略します。


⑦ 百姓廟 Pak Shing Temple

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さきほどから「これも省略~、あれも省略~」と略してばかりですが、その時の記事はこちらからご覧いただけます。このトレイルについて知る前だったので、訪問の順番は異なります。




さてと。百姓廟のそばには、現在も同じ名前で運営している病院「東華醫院」があります。


⑧ 東華醫院 Tung Wah Hospital

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🏢 中西區上環普仁街12號
🕐 立ち入り不可
💻 http://www.amo.gov.hk/b5/trails_sheungwan1.php?tid=27


「百姓廟」で行われていた医療活動を引き継ぐために建てられたそうです。メインのビルは一級歷史建築物です。


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ここからは今まで降りてきた分、今度はずーっと階段を登ります。結構きつかったですが、いろいろな歴史を感じつつ、ゆっくりと歩きました。この郵便受けは、木の成長に飲み込まれていますが、どれくらいの年月ここにあるんだろうかと思いました。アンコールワットの遺跡みたいです。


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このトレイルに相応しい名前、その名も「ホスピタルロード (醫院道)」をしばらく歩きます。生えたところで、与えられた環境で、できる限り成長する木の根はたくましいです。雨ニモマケズ風ニモマケズ、そういう者にワタクシもナリタイです。


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この通りからは、元政府の公立病院で、現在「贊育醫院 (Tsan Yuk hospital)」の ⑨ 国家醫局舊址 (Former Government Civil Hospital) と、⑩性病醫院 (The Lock Hospital) があったところに建っている現「西營盤賽馬會分科診所」が見えます。


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🏢 西營盤皇后大道西134號
💻 http://cache.org.hk/blog/syp_medical_civil_hospital/

まだありますが、長くなったので次回へ続きます。それぞれの場所に様々なストーリーがあり、なかなか進みません。

< 太平山醫學史蹟徑 The Tai Pin Shan Medical Heritage Trail >
💰 無料
💻 http://www.hkmms.org.hk/TPS/

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ご覧いただきありがとうございました。Thank you for reading.
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by ni07050 | 2018-06-14 18:54 | 街歩き | Comments(0)